モノライン業界成長の背景と要因
モノライン保険業務が拡大してきた背景としては、とくに地方債市場において大きな存在となる個人投資家のニーズ、機関投資家のメリット、債権引受銀行(投資銀行)が債権を引受け、販売する際の保証付き債権のメリットの認知の拡大が大きな要因となります。
まず、米国の地方債市場において、個人投資家のニーズによるところが大きかったと考えられます。個人投資家には、発行体である地方政府なごの財務状況を自らが審査するノウハウがありません。また、投資にあたっては、より安全性を重視するので、「トリプルA」の格付けをもつモノライン保険会社の保証付き債権が選ばれる傾向があります。
これは、1970年代以降の地方政府のデフォルト・リスクが顕在化したいくつかの機会に、モノラインの価値が明示的に示された格好になり、一層強まってきたと言えるでしょう。
また、機関投資家にとっては、保証付き債権は、投資の安全性に加えて、価格の安定性や流動性の向上が期待できます。さらに、地方債の発行体に対するクレジット審査業務をモノライン保険会社にアウトソースする格好になり、審査のコストを軽減できるというメリットがあることも、機関投資家による投資が進んできた要因と考えられます。
さらに、債権引受銀行(投資銀行)が、上記のような投資家の投資選好やリスクの許容度を満たし、かつ、発行体にとっても有利な資金調達を実現する手段として、モノライン保険の価値に対する認識を強め、モノライン保険会社と一緒になってマーケットでの普及に貢献してきたことも大きな要因でしょう。